直売所生産者の高齢化
いとしま太郎です。直売所の高齢化が叫ばれて久しいのですが、糸島市内直売所の生産者は実際に高齢化しているのでしょうか。そして直売所としての対策はあるのでしょうか。
全国農業生産者の4割は65歳以上
農林水産省の統計では農業従事者は全国で437万人おり、その中で65歳以上は182万人です。41%は65歳以上の所謂「高齢者」です。そしてその割合は毎年1%ずつ上昇しています。
ただ、素人考えでの推測ですが定年を過ぎて農業に参加したという人が一定数いるのではと希望的観測もしています。
生産者の高齢化で車にのれない
生産者が高齢化する事で一番困るのは出荷についてです。直売所の生産者は基本的には自動車で納品を行います。おそらく畑仕事をしている人は同年代の高齢者よりも足腰が強いはず。それでも車に乗れない生産者が増えてきています。これはすごく困ったことです。
しかも高齢者は免許返納するべしな雰囲気がありますね。全国で免許の自主返納の促進が進んでいます。免許を返納する高齢者はどんどん増えています。
※朝日新聞デジタルより
生産者の免許自主返納が進まない理由
実際には糸島でも高齢者の事故の件数は多いはず。生産者の車も結構へこんでいますからね。直売所の近くでは軽トラックがエンジンを思い切り吹かして、「半クラッチ」ならぬ3分の1クラッチ(勝手につけました)で進んでいるのをみるとすごく怖くなります。
生産者の高齢化は随分前から直売所の課題です。実際に直売所付近での生産者が絡んだ事故や軽い接触は一年に3、4件はあるのではないでしょうか?
それでも糸島市内は車がないと相当不便です。生産者も畑がお店の近くにあるといっても車なしには出荷が難しいのは目に見えています。
朝日新聞 2018年6月8日の記事では以下の様にも記載されています。
ある調査では、高齢者講習と優良講習受講者のうち「運転技術に自信を持っている」と答えた人が80歳以上の男性で76%、女性58・3%。年齢とともに割合は上がった。本人に自信があり、認知症など目立った病気がない場合、返納を求めづらい現実もある。
本人に運転技術の低下の自覚がない場合も多いです。免許の自主返納の是非はともかくとして生産者が高齢化する事によってこのような事も考えないといけなくなるんでしょうね。
それでも糸島の生産者は元気です
糸島の直売所の生産者は確かに高齢者は多いのですが全国平均よりも割合は少ないように感じます。
若い生産者が多いのも糸島の生産者の特徴ではないでしょうか
それとも若い生産者の方が売り方に対して積極的ということもあるかもしれません。
道の駅「天空の郷 さんさん」の取り組み
直売所も手をこまねいているだけではありません。九州ではないですが愛媛県の道の駅「天空の里 さんさん」では年配の生産者が出荷しやすいように集荷作業を手掛けているようです。
人的な余裕が直売所に求められますが今まで出荷をしづらかった生産者からの出荷が期待できます。高齢者の生きがいづくりにもなりますね。
これからこの集荷を進めていく動きは増えていくと思います。農業は続けたいけれど出荷までが大変。栽培は大丈夫だけど出荷作業が手間がかかって出荷まで至らないとか。この辺のニーズは結構あると思います。
高齢者だって立派な戦力です!
いとしま太郎はこれまで以上に直売所は売上が増えると想定しています。そこで大事になってくるのは間違いなく生産者の確保です。しかも高齢者の地道で良心的な商品が必要になってきます。
今までは努力なしでも経営が出来ていた直売所も、これからは生産者の確保、特に高齢者の生産者の確保や出荷体制を確保できる直売所が売り上げを伸ばしていくと予想します。
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